2021.5.3

カスタムApp(CustomApp)とは何か(9) 〜ライセンス連携配布でのアップデートや再インストールについて〜

過去の投稿でカスタムAppには配布方法が2つあると紹介しました。

本稿では前者のライセンス購入でカスタムAppを配布した場合の、アプリの再インストールやアップデートについて解説します。何度か掲載している下図の一番右端の配布フローとなります。

カスタムAppをライセンス購入した場合、アプリの個数情報がMDMに同期されます。MDM側では購入個数を超えない範囲で「どの端末にどのカスタムAppをインストールするか」を設定し、その設定に従ってアプリがインストールされるのでした。

では運用フェーズに入ってから、カスタムAppがアップデートされた時はどんな挙動になるのでしょうか?また、万が一ユーザが端末側でアプリを誤って削除してしまった場合、どうすれば再インストールできるのでしょうか?順にみてみましょう。

 

ライセンス購入配布したカスタムAppのアップデート

MDMの設定によりますが、

  • 自動でアップデートされる
  • 手動でアップデートしてもらう

のどちらかになります。通常の個人利用の端末では、自動 or 手動をユーザが設定アプリで指定しますが、MDM管理下にある業務端末の場合はMDM側でアップデートのポリシーを定めます。


(BizMobileの場合はアプリ毎に自動更新にするかどうかを切り替えられる、自動更新のチェックを入れていなければ手動)

自動にするか手動にするか。これはカスタムAppの種類にもよりますし、同じカスタムAppでもバージョンによってどちらが良いかは変わってきます。よく吟味して設定しましょう。

 

ライセンス購入配布したカスタムAppの再インストール

デバイス側で万が一カスタムAppを削除してしまったらどうなるのでしょうか。答えは、

インストール命令が再び送られ、再インストールされる

です。大半のMDMサービスは、端末をMDMで設定した通りの状態にしようと積極的に働きかけてきます。端末側のアプリ一覧にMDMでインストール指定したアプリがなければ「欠けてるぞ。インストールせよ!」と命令が降ってくるイメージです。そうしないと遠隔管理の意味がないですから当然の動きですね。


(MDMの設定と差分がないか定期的な確認と同期命令が送られる)

よってユーザがカスタムAppを勝手に削除してしまった場合でも心配無用。MDMからの命令により再インストールされることになります。ただし監視モードでない端末では以下のようになる点は留意してください。(参考 : iOSの監視モードとは何か)


(監視モードでない場合は再インストールを強制できない。強制したい場合は監視モードにすること)

MDMがカスタムAppの削除を認識するタイミングや再インストール命令を送ってくるタイミングは、MDMサービスによって異なります。詳しくはMDMベンダーに確認しておくのが良いでしょう。(弊社がよく利用するBizMobileでは毎日深夜2:00頃とされています)

一方ユーザ(従業員)から「間違って削除してしまった…」と連絡があった場合は、その都度MDMから当該端末を「同期」してあげれば数秒後に再インストールされます。

なお当然ながら、自動手動に関わらずアプリ内に含まれていたデータは復旧しませんので注意して下さい。

 

以上、ライセンス購入したカスタムAppのアップデートと再インストールについて解説しました。次回はもうひとつのカスタムApp配布方法である「引き換えコード」を使った場合の、アップデートと再インストールについて解説します。

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