2022.4.4
業務用iOSアプリ開発支援プログラムの提供を開始しました
去る2022年3月24日、業務用iOSアプリ開発支援プログラムの提供開始についてプレスリリースを出しました。
本プログラムは、アプリ開発会社を主な対象に、MDMを中心とするiOSアプリの Distribution(配布) やiOS端末の Deployment(配備) についての基礎知識をレクチャーするものです。
本稿ではこのプログラムを始めた背景とプログラムの詳細について紹介したいと思います。
プログラム開始の背景
2008年よりiOSアプリ開発に従事してきた弊社は、2010年頃から業務用途のiOSアプリ開発やiOS端末調達、端末へのアプリ展開などをご支援してきました。自社ブランドの業務用iOSアプリを開発し事業売却した経験もあります。
長らくエンタープライズiOSを経験してきた中で、B2C向けアプリ開発のノリでB2B向けアプリを作ってはならないことを感じるとともに、開発会社の間で業務用iOSアプリの distribution(配布) と deployment(配備) の知識が余り伝わっていないな…とずっと感じてきました。
その状況を少しでも改善できればと、本サイトを通して業務用iOSアプリ開発について発信したり、iOSDC Japan 等のカンファレンスでエンジニアの方々向けに講演させて貰ったりしてきました。
(2021年の講演。iOSDCでは複数回にわたり、のべ1000人以上の方々にお伝えした)
また、課題や問題に直面した企業様からアドバイスを求められたり、事前に備えるため…とリクエストを頂いて個別にレクチャーした例もあります。
そうした活動をしていく中で、お伝えする側の弊社が直面する課題が2つありました。
- 必要な知識が膨大すぎて短時間で体系的・網羅的に伝えるのが難しい
- 業務用iOSアプリの中心に位置するMDMを触らないと腹落ちしにくい
例えば、『業務用アプリの審査に落ちてABMを使えと言われた。どうすれば?』とスポットでいきなり相談を頂いても、説明するための前提知識が膨大にある上に、仮に説明できても(MDMを触る機会は大半の人には無いので)どこから始めたら良いか具体的なイメージを持ちにくかったりするわけです。
2つの課題を解消するために考えたのが研修プログラム化でした。短期集中的に座学で知識をお伝えし、ハンズオンと個別相談込みで具体的にTODOをイメージして進行して頂くという二段構え。
この構想に、開発者的に最も使い易い(と弊社が考える)国内MDMの BizMobile Go! の開発元 IoT-EX 社様に共感頂き、特別プランをセットにした研修プログラム化を具現化することができたという次第です。
プログラムの内容
座学・MDMハンズオン・技術相談、の3つで構成されます。期間はお申し込みから3ヶ月間です。
エンタープライズiOSは、その中心となるMDMを実際に触ってみてはじめて理解できるものなので、前述の通り IoT-EX 社様のご厚意で本プログラム受講企業様向けの特別な無償ライセンスを提供して頂くことにしました。
具体的な案件で悩み事がある場合には、期間中3回まで1時間のビデオ会議で個別の質疑応答のほか、当該案件の開発方針や配布戦略についてのアドバイスを受けることもできます。期間中はメールやチャットを使った個別相談し放題。また BizMobile Go! の使い方もサポート致します。
継続して支援を受けたい場合は、本プログラム受講者専用の年次継続プランもご用意しています。様々な業務用iOSアプリを開発受託されるような開発企業様であれば、常に相談役がいるという安心感を得られると思います。詳細は本サイトのサービスページをご覧下さい。
プログラムの受講をおすすめしたい方々
本プログラムは、主に以下のような方々にお勧めです。
- 業務用iOSアプリ受託開発を初めて手掛けようとする開発会社様
- 今後の業務用iOSアプリの提案や受託開発に備えたい開発会社様
- 顧客に業務用iOSアプリ開発を提案するコンサルタントやSIer会社様
- 業務用iOSアプリを社内で開発運用しようとしている企業様
基本的にはiOSアプリ開発会社様を主な対象としていますが、開発会社に限らず業務用iOSアプリに関わる全ての企業様にとって有用な内容となっています。
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もし情シス部門の方なら、自社内でどのように distribution(配信) と deployment(配備) を行えるのか理解がなければ、まともな内製ができませんし、外注する場合でも適切なRFPを書けません。昨今では業務システム品質が発注者の知識に大きく依存することを忘れてはならないでしょう。
SIer企業も例外ではありません。知識なくして適切な業務用iOSアプリの提案はできないからです。
また受託開発企業だけでなく、自社ブランドの業務用アプリを世に提供しているメーカ企業にも本プログラムの受講をお勧めしています。自社アプリを顧客提供する場合に、様々な配信手段を知っておくことは拡販していく上でも必要だからです。
一方で、お客様に仮に、
「ウチはMDMもABMも使ってます。カスタムAppにして貰ってこっちでVPP購入する予定です。ADPにdeveloperロールで御社担当者を招待しますよ」
と言われたとして、ヒアリング項目やTODO一覧がイメージできるなら、本プログラムの受講は不要です。逆に言うと、本プログラムの受講によって上記のようなお客様の発言にも、臆することなく然るべき対応ができるようになるということです。
以上、エンタープライズiOS研究所として初めてのご支援プログラムのご紹介でした。
10年以上のアプリ開発知見と実績を持つ企業が、アプリ開発視点で distribution(配布) と deployment(配備) についてハンズオン込みで解説するという、国内では類を見ないプログラムになっています。
業務用iOSアプリ開発プロジェクトを円滑に進行するためにも、関係各社様におかれましては受講をご検討頂ければと思います。ご質問等ございましたら、お気軽に問い合わせフォームからお問い合わせ下さい。